額縁の歴史を調べる時に突き当たるのがその資料等記録の少ないこと。それなら現存する額縁を徹底解析して調べればいいのでは、という意見も無きにしも非ずですがそれもその調査に要する費用に見合うだけの必要性はあるのかどうか、という判断に行きあたってしまい実現性もなかなか見えてきません。

そうなると残すは、絵画等で残されている多種多様な資料ももとに、体系的にその時系列での解析がいちばん実際的な方法と言えるのかもしれません。そのような歴史という縦と世界という横の絡みを体系的にとらえていければ間違いなく全体像が見えてくるのではないでしょうか。

例えば、地域ごとの出所の調査や、その材質の異同、組み方の特徴などと体系的にまとめていければ、かなり役立つ資料が完成されていくのでは、というのが正直な印象です。

調査対象も額縁に限らず、初期のものはどちらかといえば彫刻がメインとなる作品が多いことを考え銅版画にまで手を広げていくのもいいでしょう。工芸品というジャンルまで考慮すれば、何かその糸口がつかめるかもしれません。