91歳に亡くなるまで生涯作品を創りつづけたパブロ・ピカソは、皆さんもご存じ通り額縁からはみ出てしまうような異端児的な発想で作品を生涯にわたって創り続け、およそ1万3000点ほどの油彩画・素描・版画などを意欲的に生み出し続けたそうです。この作品の多さはギネスブックにも登録されているとのことです。ピカソは晩年、「子どものように絵が描けるようになるには一生かかった」というような言葉を残しているようですが、現代アートに大きな影響を与えたことは間違いないはずです。その存在を「20世紀最大の芸術家」と呼ぶ人たちも少なくないようです。ピカソが生涯に渡って創り続けた作品は、年代ごとにみごとにも作風が変化を遂げていることもあり、様々な時代のピカソの作品を見比べてみることもピカソを知る上では重要な解釈となるでしょう。ピカソ作品と言えば様式や形式に一切とらわれずに自由な表現者であったというイメージが強いものですが、時代とともに変化する作風は、戦争などを辛い経験したピカソの心情が作品に大きく反映しているのかもしれません。